Voice〜彼の声〜



榊はフェンスにもたれるように座り、私もちょっと距離を空けて隣に座った。



「昨日はごめん」



「………私の方こそごめん」


「……香坂が俺の気持ちに応えられないのは分かったからさ、もう諦めるつもりだから。だから、その代わりってわけじゃないんだけど、香坂の好きな奴の話教えてよ」



「…………言いたくない」


「どうして?それぐらい聞いてもいいと思うんだけど」


一瞬、榊の目つきにたじろぐ。



< 38 / 337 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop