Voice〜彼の声〜
「…………中学の同級生」
「名前は?」
「……創…黒崎…創」
「どこの高校?」
「………もういいじゃん」
「香坂?」
言いたくない。
創ちゃんの話をしたくない。
創ちゃんに似た声で名前を呼ばないで。
「…ばないで」
「えっ?」
「呼ばないで…私の名前を呼ばないで!榊の声も聞きたくない」
榊の表情が一瞬固まった。
傷付けた。
でもそんなの知らない。
私は榊を残して屋上を後にした。