Voice〜彼の声〜
第3章
出会い
「じゃあ〜…黒崎、この答えはなんだ?」
中学三年になって、クラスは新しくなった。
まだクラス全員が馴染めてない。
開いた窓から涼しい風が吹いてくる。
「黒崎」
先生が何度も呼ぶ名前。
それは私の前に座る、いや寝入ってる男子。
「黒崎くん、ねぇ」
小さい声で呼びながら、後ろからペンで背中をつつく。
お願いだから起きてよ。
黒崎くんが答えてくれないと、私が当たるんだから。
そう心で焦るが黒崎くんは起きる気配がない。