Voice〜彼の声〜
「ったく…香坂、答えは?」
先生は呆れたようにため息をつくと、やっぱり私を指名した。
「はっはい、えっと…」
慌てて立ち上がるも、答え分かんないのに…と泣きそうになる。
「x=6、y=2です」
えっ?と前に顔を向けると黒崎くんが起きていた。
「なんだ、起きてたのか?」
先生は答えを黒板に板書する。
黒崎くんは「すみません」と呟いて、窓の外を眺めた。
分かってるなら最初から答えてよ。
そう思うが口に出さず、黒崎くんを軽く睨む。