Voice〜彼の声〜



「ったく…香坂、答えは?」


先生は呆れたようにため息をつくと、やっぱり私を指名した。



「はっはい、えっと…」


慌てて立ち上がるも、答え分かんないのに…と泣きそうになる。




「x=6、y=2です」


えっ?と前に顔を向けると黒崎くんが起きていた。



「なんだ、起きてたのか?」


先生は答えを黒板に板書する。


黒崎くんは「すみません」と呟いて、窓の外を眺めた。



分かってるなら最初から答えてよ。


そう思うが口に出さず、黒崎くんを軽く睨む。



< 54 / 337 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop