Voice〜彼の声〜
「山下、私、黒崎くんって怖い人だと思ってた」
「何だよ、急に」
下駄箱の掃除をする手を止める。
「いつも寝てるし、無表情だし…パン食べてるし」
「パンは関係ねぇだろ」
山下のツッコミを無視して話を進める。
「黒崎くんといつから仲良しなの?」
「中一」
「ずっとパン?」
「そうだな…母親が忙しいから、弁当は作らなくていいって言ってるみたい」
「そうなんだ」
黒崎くんの新たな情報を入手した気分で嬉しさ半分、寂しさ半分。