Voice〜彼の声〜



「黒崎くん…」


「何?」


いつもの屋上でいつものお弁当。


ただ気持ちは暗い。



「迷惑だったら言ってね」



「……噂のこと気にしてんの?」


「知ってるの?」



「隆から聞いた」


「お弁当、迷惑?」



「…………ううん、てか助かる」


「本当?」


「…あぁ、だから噂なんて無視すればいい」


そう言ってお弁当を食べ終わり、立ち上がる。



「…先、戻る」


「あ、うん」



「……香坂」


「何?」



「………なんでもない」


何か言いたそうなまま、学校の中へと姿を消す。



< 63 / 337 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop