Voice〜彼の声〜
「…どこ行くの?」
放課後、どこ行くか分からないまま、小走りで黒崎くんの後ろを追う。
「……俺ん家」
「はっ!?黒崎くんの家?」
「…そう、あ、ここ」
驚く私を無視して、黒崎くんは玄関の鍵を開ける。
「上がって」
「…う、うん。お邪魔します」
急に緊張しだす。
部屋は綺麗に片付いていて、少し落ち着かない。
台所でペットボトルのお茶をコップに注ぐ黒崎くんに、背後から声をかける。
「あ、あの…何で黒崎くんの家に?」