Voice〜彼の声〜
創ちゃんじゃない…。
『美嘉は小さいんだから、俺が代わりにするよ』
『ありがとう』
あの時の創ちゃんとの会話が思い出される。
「香坂?どうした?」
「黒板消しお願い」
顔を覗く榊を残して私は教室を後にした。
創ちゃんはいない。
分かってるけど、やっぱり無理だ。
やばい。
泣きそう。
気持ち悪い。
「美嘉?どうした?」
「えっ?」
愛美の心配する声が聞こえたかと思うと同時に私は意識が遠退いた。