Voice〜彼の声〜
「もしかして創と付き合ってるの?」
「…い、いえ!そんなんじゃないですよ」
自分でも顔が真っ赤になるのが分かる。
「そうなの?残念ね…。創、無愛想でしょ?」
「ん〜…優しいですよ」
「じゃあ…美嘉ちゃんは特別なのね」
そう言っておばさんは嬉しそうに微笑んだ。
「母さん、余計なこと言わなくていいから」
洗い物をしていた黒崎くんが、少し不機嫌そうな顔をして立っていた。
「創ちゃん、昔は優しかったのに」
おばさんは寂しそうな表情をする。
「…その、"創ちゃん"って呼ぶの止めてよ」
呆れながらため息をつく。
私は二人のやり取りを楽しく眺めていた。