Voice〜彼の声〜
「黒崎くんは?」
掃除当番なのにいない。
教室を箒で掃きながら友達に問う。
「さっき隣のクラスのコが呼び出してたよ」
「何だろ?」
「"何だろ?"じゃなくて、告白でしょ」
苦笑する友達は続ける。
「美嘉ちゃん、黒崎くんと仲いいけど、付き合ってるの?」
「ま、まさかっ…」
「グズグズしてたら余所のコに持ってかれちゃうよ?黒崎くん、最近モテてるみたいだし?」
そう言って意地悪な笑みを浮かべる。
なんだろ。
すごく嫌だ。