Voice〜彼の声〜



「なかなか梅雨明けないな」


箸を止め、屋上の扉に目を向ける。


「そうだね」


「早く、外で食べたい」


「梅雨が明けたら、夏だね。夏休みだよ」



「その前に期末がある」


「それを言わないでよ…」


暗くなる私を創ちゃんは呆れたように笑った。



「美嘉は今から勉強しないと危ないよ」って言いながら。



< 86 / 337 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop