Voice〜彼の声〜



「創ちゃん!」


学校の校門を出たところで、一人歩く創ちゃんを見つけ、後ろから思いっ切りデカイ声で叫ぶ。


久しぶりに全速力して息切れする。



「…すごい汗だよ」


「あ、あの…」


呼吸が整わない。




「………"すき"って落書きなに?」


笑うように言う。



「…っ!」


机に落書きした"すき"の文字。



でも私の机にもあった落書きの文字。




「"知ってる"って創ちゃんでしょ?」



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