もう一度 君に会えたら
「死に目に会えなかったら、テメーの事呪ってやっから覚えとけ」



吐き捨てるように俺は受付を後にした。


タケは慌てて俺を追いかけ、その後ろではババーが俺を睨むように見ていた。


何がご家族にだ、ふざけんな。


不安と怒りで頭がパンクしそうだった。


受付で断られ、また振り出しに戻ってしまった。


とりあえず、さっきの看護婦が言ってた新棟の心臓外科って所に行ってみるか。



「なぁ・・・・」


後ろからタケが話しかける。


何だよ。


「・・しゅひぎむ、って何だ?」


振り返ると頭をひねり眉間にシワを寄せている。


やっぱ、タケってアホだわ。


さっき少し見直したばっかなのに、残念な奴―。


俺は考え込むタケを見て吹き出すように笑った。



< 120 / 272 >

この作品をシェア

pagetop