もう一度 君に会えたら
大きな病院って迷路みたいなんだな。


新棟に辿り着くまでに、かなり迷った。


たぶん増設に増設を重ねて無理やり廊下を繋げたのだろう。


何回もアルミサッシのドアを開けて進まなければならなかったし、途中にはレントゲン室や検査室、売店とか関係ない部屋が沢山並び、本当にこの先に心臓外科病棟があるのか不安になる作りになっていた。


夜だったらきっと途中で引き返してるな・・・。


最後のガラス戸は自動ドアになっていた。


静かにドアが開くと、さっきまでいた場所とは違い、静かな白い空間が目の前に広がる。


人もまばらな為か、肌に触れる空気もさっきより冷たく感じた。



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