もう一度 君に会えたら


「入っても・・いいんだよなぁ?」


タケはまるで異空間に迷い込んだかのように、心配そうな顔で辺りを見回している。


「いいんじゃね?」


自分にも言い聞かせるように答えると、足早に待合室へと急いだ。



心臓外科と書かれたプレートの下で、何人か淡い色をしたソファーに座っている。

診察室の近くにジーちゃんが1人、その後ろにバーちゃんが2人。

それぞれ家族に付き添われて座っていた。

ここにも瑶の姿はない・・・。

もう、帰って連絡を待つしかないのか?

すると、横に立ったタケが俺のシャツの裾を引っ張った。

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