もう一度 君に会えたら
母親がショックで休んでるって・・・


「そんなに悪いんですか」


俺の言葉に父親は顔を上げる。


「うん、かなりね」


その言葉を、あまりにもサラッと言うもんだから、俺は一瞬自分が日本語の変換を間違って脳に伝達したんじゃないかって混乱してしまった。


「かなりって・・入院する位悪いんですか」


「そうだね、このまま入院になるかも知れない。治療法をこれから先生達と状態を見ながら決めて行く事になるしね。宮坂君には心配をかけるね」



死んだりしないよな・・そう喉まで声が上がってきたが、今はその言葉を吐き出してはいけない気がして、俺は自分を抑えるように言葉を飲み込んだ。

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