もう一度 君に会えたら
「瑶には会えますか・・・」
「うん、今日は無理だろう。また落ち着いた頃に来た方がいい」
俺を安心させるためなのか、瑶の父親は優しい笑顔を作って俺に微笑みかけた。
自分も不安だろうに・・・
俺はこんな風に落ち着いて理衣たちに報告できるんだろうか。
強い人だ。
俺はボーゼンとしながらも、また来ますと深く頭を下げて病院を後にした。
タケはバイクを停めた駐輪場に着くまで一言も喋らず俺の後ろを付いてくる。
「あいつ、浩子さぁー教えてくれて感謝だな。オオカミ少年だったら良かったんだけど。充・・大丈夫か?」