もう一度 君に会えたら
「好きなんだよ・・・ずっと」
悲しそうな顔で浩子が呟く。
肩にかかった髪が俯いた拍子に顔を隠した。
予想外の言葉に俺は返す言葉を慌てて捜す。
「・・・で?」
「充は好きじゃなかったの・・・?」
「さぁ。好きなんじゃないの?」
「なら離れててもいいから好きでいて…。面倒なら会わなくてもいい。でも私は好きだから思い続けたい・・と思ってるの」
言葉の最後は聞き取るのがやっとの程の小さな声だった。
「思うのはいいんじゃねー」
「寂しくなったら・・声が聞きたくなったら電話しちゃうかも」
「好きにすればー」
興味なさそうに、俺は外を眺めたまま冷たく返した。
そんなに俺がいいの?
こんなに自分勝手な男なのに?