もう一度 君に会えたら

「・・・気が済んだか」


馬乗りになったまま顔を覆った俺にタケがつぶやく。


「ったく、手加減っての知らねーのな。ま、いいけど」


まぶたが腫れて細くなった目でタケが笑った。


「俺さ、目が腫れちゃって目がよく見えないわけ。充、前乗って運転してねっ」


そう言って俺の手を引っ張り、バイクのキーを俺の目の前で左右に振ってみせた。



< 130 / 272 >

この作品をシェア

pagetop