もう一度 君に会えたら
婆ちゃんと同じくらい古い家の物置は、木造だしトタン屋根だしで鍵は壊れてるし相当ガタが来ていた。

扉も俺が開けてもキツイくらい立て付けが悪くなってるし。



「久しぶりに開いたの見たわー。台風が来る前に、きれいに直しといて」


ハサミの修理だけでなく、小屋の修繕まで押し付けてきやがった。

休みに入ったらやっとくよ。

俺はサラリと返し、ハサミの修理に取り掛かる。

婆ちゃんに逆らうのはやめたほうがいいからね。



「そういえば、瑶ちゃん最近来ないけどどうしてるんだ?」


油をさす俺の手元を見たまま婆ちゃんが尋ねる。

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