もう一度 君に会えたら

友人

=友人=


充に呼び出された理由が転校の話だったとはね。


俺としては完全に不意打ち。


ショックじゃないと言えば嘘になるかな、ダチだし。


自分の中の整理も出来ていないのに、浩子からの緊急の呼び出し。


月も見えない曇り空の下、俺は駅前のカラオケボックスの前にいた。



「ゴメンね武、急に呼び出したりして」


浩子は少しゆったりとしたボーダー柄のワンピースにレギンスといったラフな格好で俺を待っていた。


「いや、別にいいんだけど。どーしたの」


どーしたの。愚問だったかな、充の件だって分かってて聞くなんて。


「うん…充の事で…」


「やっぱりー?聞いたんだー」


浩子はコクンと小さく頷く。


「マックとかで話そっか?」


俺は適当な場所がないか辺りを見回した。


「・・・ココじゃだめ?」


「ここ・・・?」


浩子が指差した場所は、今俺達が立ってるカラオケ店の入り口だった。
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