もう一度 君に会えたら
恨み続けた親父への気持ちが、春の雪解けのように心の中で溶けていく感じがした。
その滴が俺の目から少しずつ、一つの線となって流れていく。
つまり・・・
俺がガキだったってこと。
「もっと親父と話していれば・・・俺が変な意地なんてはらなかったら・・・誤解だって気付けてたんですかね・・・」
目から溢れる滴を隠すように俺は俯いたまま呟いた。
「そうかも知れないね。でも今からでも遅くないんじゃないか?」
そうですかね・・・力なく答える。
今更アイツと何を話せばいいんだ。
家を追い出して無理やり転校させたりした奴だぞ。