もう一度 君に会えたら
「大丈夫って・・・何が?」
俺は眉間にシワを寄せて理衣に詰め寄る。
ちょっと、近いわよ、と冷たく言い放つと理衣はため息をついた。
「受験よ、受験。充、転校してきてからまともに授業受けたことないでしょ?試験は何とかクリアしてるみたいだけど、かなり厳しいんじゃない?」
確かに…。
親父に逆らうようになって授業はサボりがちだ。
でも、ギリギリながら赤点は免れてきた。
奇跡…かもしれないけど。
受験ね。
いくら俺でも知ってるよ。
やっぱギリギリ進級してるようなレベルじゃ無理な目標なのかな。
「無理よ」
考え込む俺の心の中を読んだのか理衣の冷たい声が部屋に響いた。