もう一度 君に会えたら
こいつ・・・こんなキャラだっけ?

いつもはテンション高いのに。


「それだけ難しいって事よ」


ど、読心術でもあんのかよ・・。


飲みかけのグラスをテーブルに戻すと、それから理衣は受験の大変さについて刻々と語ってくれた。


「つまり、今の俺の学力じゃ学部を選ぶどころか進学さえ危ういって事か」


俺は後ろのベットにグッタリと倒れこんだ。

見えかけた道があっという間に濃い霧で覆われてしまった感じ。

それも仕方ないのかな…。

現実から逃げて・・目先の楽しさを追ってきた代償なんだろう。

はぁ、結局振り出しかよ。

枕に顔を埋めたまま俺は深いため息をついた。

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