もう一度 君に会えたら
ネットで簡単な授業内容や料金は分るはずだから調べてみなよ、
と言いながら理衣はルーズリーフに予備校や近隣の塾の名前を書き始めた。
あ、CMで聞いたことある。
あ、これも。
きれいに書き並んだ校名を眺めながら心が脈打つ感じを味わっていた。
俺が学校の名前みて心がザワザワするのは初めてかもしれない。
でも、この中から果たして俺に合ったトコを見つけられるんだろうか。
ちょっと不安。
綻んだり眉間にシワが寄ったりする俺の顔を見たのか理衣が吹き出しながら床に転げた。
「何だよー」
失礼じゃね?
「いやぁ、ホント意外だわ。何が充を動かしたんだか。瑶も喜ぶんじゃない?」
笑いすぎて目に涙を浮かべた理衣を見ると、自分でも気持ちの変貌振りに笑いがこみ上げてきた。