もう一度 君に会えたら

俺は返す言葉も探さぬまま、じっとその呟きを聞いていた。



「私ね、都合のいい女でいようと思ったの。その方が長く充といれると思って。ただ傍にいたかったの。そしたらいつかは好きになってくれるかもって期待して。特別な存在になりたかったって気持ちは充には届いてなかったのかな…。それとも特別な存在が他にいたのかな…」


「あいつは特定は作らねーよ」


俺はポケットから取り出したタバコに火を付けた。


「充は毎日が楽しければそれでいいって思ってるからな。彼女がいると喧嘩したりなんやらで面倒だし、邪魔になるって思ってるみたい。寄ってくる女も去っていく女も何も気に留めてなかったしね。でも、あいつの特別になれるとするなら浩子なんじゃねーの。多分だけど。浩子は楽でいいって言ってたし。あ、いい意味でね」


「でも…傍にいれないのは不安だよ」


「信じてやんないの?」


「・・・どうだろう」


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