もう一度 君に会えたら
「さっき実家に行ってきた」


「マジでー?親父さんと喧嘩とか大丈夫だったのかよ」


「いや、逆に平和協定結んできたよ」


ウソーと大げさに脇腹を両手で叩きながら笑うタケ。


「タケーお前、俺の実家行ったらしいじゃん」


「ん?あぁ、何か聞いた?」


いや、別に何も聞いてねぇー、と俺はタバコに火を付ける。


「頑固オヤジの顔でも見て、文句の一つでも言ってやろうと思ってさぁ」


「はい?」


「お前いないとつまんないから、こっち呼び戻せよって」


無邪気に笑いながら答える。

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