もう一度 君に会えたら
「何がだよ」


「成績だよ、成績」


夏休み明けの試験から、驚くようなスピードで回りを追い抜いていった。

1番こそ取れないが、俺の成績の上がりようはカンニングを疑われるほどだった。

俺は「もともと天才なんだよ」とおどけて笑う。

「いきなり勉強しだすんだもんよぉ、調子狂うってか置いてかれた気分」

ま、いいけどー、と亮は大きく伸びをした。


「瑶、元気?」


亮は伸びをしたまま天井を見つめて言う。

夏休み明け、瑶の病状について理衣や亮たちに話をした。

俺も詳しくは聞かされてないけど、心臓の調子が悪いこと。

あんなに普通に生活してたのに何で?と皆ショックを受けてた。

実際退院の目途はたっておらず、学年末の今日まで夏から入院したままだ。

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