もう一度 君に会えたら

今日は、都内のカフェでタケと会う予定が入っていた。


学生の頃の待ち合わせはマックばかりだったのに・・・


俺たちも大人になったって感じ?


PORTERの大きめバックに資料を詰め込み外へ出る。


桜が舞い散る公園を抜け、約束のカフェへ足を急がせる。


花壇に咲き誇る花々は、春の暖かな温もりを公園中に届けていた。



瑶――。



この季節が来るたびに思い出す。


花が好きだったから。


植物に携わっていきたいと夢を語っていたから。


最後に病院を見舞った夜、俺たちは誓ったんだ。


信じてる。


俺たちは離れない。




そんな懐かしい記憶に頬を緩ませる。

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