もう一度 君に会えたら
夢に近づいた男の顔…なのかな。

少し羨ましい。


俺は店の設計図や見積もりをテーブルの上に広げると、上着のポケットからタバコを取り出し火を付けた。


「お前、注文多すぎて見積もりとかマジ大変だったんだけど」


「えー、充なら余裕だろ」


「大体、学生向けの洋服や雑貨を売る店なのに箱に拘り過ぎなんじゃねー?」


「こだわりは男の美学だろーが。箱は俺の城になるんだし、いいじゃん」



タケは拗ねた子供のように唇を尖らせ目を伏せる。


確かに、お客様なんだから希望を言うのは当たり前なんだけど


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