もう一度 君に会えたら
「はい…?」
「もうさ、10年なわけじゃん?あれから連絡ないんだろ?」
タケが瑶の事を言ってるのはすぐに分った。
俺は何も返さず、手元のカップに視線を落とす。
「元気になってたとして、もう26だろ?どこかで彼氏作ってるかも知んねーし、もしかしたら結婚して子供だっているかもじゃん?」
だから、そろそろ時効なんじゃねーの?
最後の言葉は、少し遠慮気味なトーンで付け加えられた。
タケの言いたいことは分る。
もしかしたら言葉の通り、どこか俺の知らない土地で結婚して幸せに暮らしてるかも知れない。
考えたくはないけど、もう…どこか…手に届かない場所に先に行ってしまったかも知れない。
でも―――。