もう一度 君に会えたら
「行きます!」

自分でも驚くほどの大音量での返答。

社長は、その声の大きさに口をポカンと開けて驚き、そして顔をクシャクシャにして笑う。

「充はヤル気があるなぁ」

「あ、いえ。ありがとうございます」

俺は頭をボリボリ掻きながら、恥ずかしさを隠すように深く頭を下げた。





イギリスって、どんだけ遠いんだろう。

行った事もないし、調べた事もなかったなぁ。

雑誌で見た田舎の風景しか知らない俺は、少しドキドキしていた。

日本人は皆着物を着てチョンマゲを結ってると思い込んで来日した外国人がギャップで目を丸くするように、俺も驚かされるような、そんな気がして。


< 245 / 272 >

この作品をシェア

pagetop