もう一度 君に会えたら
そうだろうね。

古きを訪ねるって行ってたから、こんな都会に何日もいるとは俺も思ってないですよ。

でも、ハロッズも有名な橋も何もかも興味はないんです。


「いや、遠慮しときます」


それだけ言うと、俺はまた枕に顔を埋める。

社長の前でもリラックス。

こんな俺を許してくれる寛大な社長に感謝。


「明日は、南東部のウォーキングコースを回るから」


「はい?」


「リプリー村のコースは有名だろ?のんびり散策して田舎の風景を満喫しよう」


「建築を訪ねる旅なんですよね?」


「東京の雑踏から逃れる旅に変更だ」


そう言うと、社長はイタズラっ子の用に舌をペロッと出した。

社長のマイペースぶりに完敗。

俺も笑って「オーケーです」と返した。





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