もう一度 君に会えたら

「こらぁー!土の付いた手でサクラに触るなっ!!」


揺りかごに手を伸ばそうとした俺に、婆ちゃんの激が飛ぶ。

身体中に目を付けてるとしか思えないくらいの早業だ。

まだまだ死にそうにないババーだな。

悪態をついた俺を婆ちゃんがスコップを空にかざして叱り飛ばす。

それを見て瑶が笑う。

その表情を見て俺も笑う。



ゆりかごの中の娘も、俺も瑶も


幸せの光が差すこの庭で


これからも永遠に笑って暮らしていけますように――



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