もう一度 君に会えたら
「こんな田舎で何のバイトやんのー?」


明るく染めた巻き髪に手をやりながら覗き込むように言うのは大塚理衣。


「バイクの免許あるならスタンドとかいいんじゃねー?」


そう言うのは隣の席のよしみで仲良くなった中村亮。


「バーカ、ここらのスタンドは夜9時に閉まるから金になんないだろー」


金髪の短い髪ををワックスでねじり上げた小池陸斗が亮の頭を小突きながら笑う。


陸斗はクラスが違うが、亮の幼馴染って事と理衣の彼氏って事もあって一緒にいることが多く自然と付き合うようになっていた。


転校してから、俺はいつの間にかこの3人の中にスッポリ納まっていて、以前の学校でてまったく違う付き合い方に少しずつ慣れていった。


ま、前の学校じゃ俺の豹変を見てる奴ばかりだったから寄り付かれなかったのは納得なんだけど。


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