もう一度 君に会えたら
そんな身勝手な俺にくっ付いて来る奴が2人。


成瀬 武 と 伊藤 浩子。


タケは俺が今までと真逆の行動を取り出してから仲良くなった友達。


いわば、悪い仲間?


でも今まで腫れ物に触るように接しててきたクラスメートと違い、タケは言いたいことは言う、殴りたいときは構わず殴ってくるそんな自然体の男だった。


タケと知り合ったのは俺にとって最高の出会いだったかも知れない。


だって、俺はそれまでの心の中の足枷が外れたように楽しさを実感出来るようになったんだから。


一方の浩子は、彼女と言ったところか。


初めは鬱陶しくてたまらなかった。


特定の女なんていらないと思ってたし。


でも浩子は冷たくあしらう俺の態度に懲りず「好きだから」と言い続けた。


特別干渉もされず、バイクは危ないから気をつけなーと注意する程度。


後ろに乗せてくれだの変な薬とかやってないんでしょうねとか、今までの女達が言ってきたような事は一切言わない。俺の扱いを知っているかのようだった。


逆に掴み所がなく、何を考えているか分からない女でもあった。


ただ細い身体で俺の身勝手を受け入れる。


楽な女―――ただそれだけでつるんでいたのかも知れない。

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