もう一度 君に会えたら
もうすぐ梅雨もあけるかという蒸し暑い日。


俺は学校の屋上にいた。


授業のサボり癖は相変わらすだ。


タケと過ごしていた閉鎖的な屋上とは違い、この学校の屋上は背の高いフェンスと細長いベンチが配置されている。


もちろん、教師達の見回りのコースにも含まれるため発見される率が高い。


俺はわざと整備された方とは逆の、貯水槽とパイプの無機質な空間に居場所をおいた。






「こらー。何サボってるのー」




すぐ傍で女の怒鳴り声がする。


はぁ、見つかったか。
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