もう一度 君に会えたら
どの女教師が嗅ぎ付けたのか、と睨むように声の主を見る。


「瑶・・」


視線の先には瑶が片手でピースサインをしながら笑って立っていた。


「・・何やってんのオマエ」


「それはこっちのセリフだよ。私の席からバッチリ見えてたよ、ここ」


マジかよ、と俺は慌てて周りを見回した。


「多分先生たちからは見えてないと思うよ。イスに座ってやっと見える感じだから、教壇からは視界に入んないんじゃないかな」


なーんだ、と俺は再び仰向けに寝転ぶ。


「授業出ないの?」


「そういうオマエもサボりじゃんよ」


「・・・気分悪いので出てもいいですか」


片手で口元を押さえながら伏し目がちに瑶が言う。


「そう言って抜けてきたわけ?」


「ピンポーン。オスカーもらえるかなぁ」


「この前も仮病使って理衣のトコ来てたよな。病弱キャラか、オマエは」


「たまたまだよっ」


「用がないなら教室戻れ」

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