もう一度 君に会えたら
タケは相変わらずスゲーな。

二言三言の会話で察するなんて古女房かっつーの。



「オマエさー何か夢とか目標とかってもってんの?」


俺に似合わない質問だったのか、受話器の向こうでタケの堪えた笑い声が聞こえる。


「笑ってんじゃねーよ」


悪い悪い、と笑い声のタケ。


「いきなりどうしたかと思うじゃん。誰かに何か言われたんだ?」


「こっちで知り合った女に聞かれてさぁ、オレ答えられなかったよ」


「だろーな、先の話なんてオマエから聞いたことねぇし」


「そういうオマエはあんのかよ」


「俺ー?考えてるよー」


「マジで?」


「俺は頭悪いから大学とかは無理じゃんね。だから金貯めて専門学校行ってセンス磨いてショップの店長さんしたい」


「何の専門で何の店長?」


「ファッション系の専門行って、メンズ専門の服とか雑貨とかジャラジャラ売りたい
の。金のない中高生にも買えるようなチープだけどこだわりの店が目標かなー」
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