もう一度 君に会えたら


それは瑶からの電話の後だった。

古いベランダに出てタバコに火を付けたその時、

携帯の着信を知らせるランプが青く光る。

青のランプは地元の奴からの着信を知らせる色。

そしてディスプレーに『浩子』の文字が点滅していた。

とるかとらないか・・

迷ったのち、通話ボタンを押す。



「何だよ」


「あ、寝てた?」


「何?」


「・・・さっきタケに聞いたの」


もぉ、情報早すぎ。

なに速攻で言っちゃってんの、アイツ。

ピースサインのタケの姿を想像して舌打ち。

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