もう一度 君に会えたら
「俺は専門行って美容師になるー!!」



俺が答えに詰まってる横で亮が声を張り上げた。


「ってウルセーよ!!」

理衣と同時に怒鳴ると「イヒっ♪」と亮が笑った。

「亮、美容師になんのー?」

理衣が初耳といった感じで身を乗り出して亮に詰め寄った。

「うん、美容師になってカワイイ子と巡り会うことに決めた」

動機が不純なんだよ、オマエはさぁ・・と理衣は飽きれたようにその場にしゃがみ込んだ。


みんなが進路を固めていく。


それは都内の進学校であろうと、田舎の吹き溜まりであろうと同じだった。

違うのは俺だけ。

今だけしか見てない代償なのか?

俺は、自分の進路さえ決められない・・・。



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