もう一度 君に会えたら
あれから何事もなかったかのように毎日が過ぎた。


俺は進路希望の用紙を白紙で提出し、担任に職員室でこっぴどく怒られた。


決めてないものはどうしようもないし、適当に書くのも違うんじゃねーの?という俺の主張は担任には理解できなかったようで。



何でかな。



数学の計算よりも、古文の解読よりも簡単だと思うんだけど。


瑶も俺の進路については何も言ってこない。


相変わらず空いた時間に少し会う程度の付き合いは続いていた。


もうすぐ夏休み。


バイクのエンジン・・錆び付いてねーかな。


しばらく乗ってないし。


簡単なバイトでも探してガソリン代作らなきゃ。


タケとも久々に会いてーな。


俺の夏休みは、楽しい事がたくさんつまっている。


そのつもりだったんだけどね。


楽しいなんて思う暇がないほど大変な夏になるなんて、この時の俺は少しも気付いていなかった。




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