Secret Cats
メールの通り16時に公園に行くとそこには黒猫の車があった
何の躊躇いもなくドアを開いて中に入ると、いつも助手席にいる翼が後部座席に座っていた
たぶん何か話があるんだろう
「おはよう」
「……おはよう」
「メールの通り、センコーには一応断っておいたから奨学生取りやめってことはねーと思う」
「うん」
「ところで、何で今日学校来なかったんだ?見たかんじ風邪とかじゃなさそーだな…」
おでこに触れた翼の手がひんやりとして気持ちよかった
ゴツゴツとした指が妙にあたしを安心させてくれる
「熱はねーな…」
「あぁ、体調崩したとかそういうんじゃねーから」
「じゃあどーして。奨学生のお前が寝坊とかするわけねーだろーし」
うん、そのまさかが当たっちゃってるよ
自分でも思う
ほんっと、情けないって