Secret Cats
あたしより10センチくらい高い位置からズキズキと注がれる視線
睨まれてる感じの視線ではない
むしろ試されてるって感じの視線で、逆に怖い
あたしが黒猫といることに相応しいか相応しくないかを見られているみたいで…
けどここでその視線から逃げたら負けたような気になりそう
だからあたしも負けじとじーっと翼の目を見つめ、ほぼ念じに近いことをした
みんなと一緒にいたい
「お前……俺が怖くねーの?」
さっきと変わらぬ視線のままポロッと出てしまったと言ったような言葉だった
「なんで…」
「いや、何でもねーよ」
そう言ってふいっと顔を反らす動作が何となくかわいかった
なぜ反らしたのか気になって仕方のないあたしは、翼がどんな表情をしているのかをのぞき込むようにして見ようとした
「うわっ、ちょっ、急に覗くんじゃねーよ……バカ!!」
「いーじゃねーかよ。気になって仕方ねーんだからさ」
「よかねーよ」
後ろを向きながらブツブツと呟いている姿もまたかわいかった