Secret Cats


「気にすんなよ。別に親の仏壇見られて嫌な気分になるならこの家に誰も上げたりしねーしな」



「……いつからだよ」



「は?」



「いつからいないんだよ……お前の親…」






質問するリュウを見て急に笑いそうになった



こんなに話すリュウを見たことなかったし



もしかしたら黒猫の中ではよく喋ってんのかもしれないけど



しかも意外と繊細?



っていうか強引な黒猫達と違って、どこか他人と一線引いてるというか



そんなリュウが垣間見えてなんだか温かい気持ちになれた





「何笑ってんだよ…今そういう要素どこにも無いだろ」





「俺、今真面目に聞いてんだけど?」と言ったときのリュウの表情を見て思った





この人、常識人だ





むしろこの雰囲気を壊そうとするような態度をとっているこっちが恥ずかしくなるくらいだ


< 86 / 188 >

この作品をシェア

pagetop