Secret Cats


「あたしが今から言うこと、本当だからな」



「……わかった」





こいつなら大丈夫だと思った



リュウになら言っても馬鹿にされないって





「あたし、元はというと結構裕福な育ちしてたんだよ」



「だろうな」



「パパはおっきな病院の院長でママは看護婦だった」



「……ってことは…いわゆる……お嬢様ってやつか?」



「まあ、そんなとこだ」




変だろ?あたしが元お嬢様とか



そう言って「確かにな」みたいなこと言われてまた無関心そうに話を返されるんだと思っていた



けど話すどころか逆にリュウは黙りこくってしまった




いや、そこまで深刻になんなよ



あたしがお嬢様だったって知ってそんな顔すんなよ


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