・音色・オトイロ
そう。ちゃんとみなきゃだし、
あたしの部屋も怖いから。
っていうか・・・うん、
隣の住人と顔見知りになれるチャンス!?
なんて、馬鹿なことを考えて外に出て、
隣の部屋の扉の前に立つ。
てんぱってたあたしは非常識にも、
ゆっくりとチャイムも鳴らさずに
ドアノブに手をかけて引いた。
――ッ。
一気に硬直したあたしの足下には、
盛大にこけて割ったであろう何かのガラスの破片と・・・
男の人。
「あ、ごめん。うるさかったかな?」
「あ、や、いえ・・・」
どもるあたしと、照れて苦笑いしてる彼。
きっと目の前のこの人は、
いつもピアノを弾いてる人なんだろう。
なぜか確信できる。
やばい、どうしよう・・・