空の大きさ
そう言った途端、また泣き出す堀内。
こんな住宅街で抱き合っている俺たち、しかも泣いている堀内は、他の人から見たら不思議な光景だろう。
でも、今はそれどころではない。
「俺はなにもできない。堀内のためにしてあげれることが分からない」
こんなこと言い出して、本当に情けないやつに思える。
でも、矢野先輩としゃべっただけでここまで動揺する堀内を放っておくことはできない。
「なにも分からないし、できないかもしれないけど、
俺はここにいる」
それだけ言うと、腕に込める力をいっそう強めて堀内を抱きしめる。