空の大きさ
斜
その日はそのまま堀内を家まで送って上げた。
手は、繋いだままで。
お互いに会話はなかったけど、きっと明日になったらいつも通りに戻っているんだと思う。
堀内ってそういうやつだから。
この時の俺は堀内のことばっかりでもう一人の人物のことを忘れていた。
忘れていたと言っても結構なキーパーソンだから別に完璧に、じゃない。
本当にうっかりしてただけ。
「あ、桐島。おはよう」
だからまさか次の日に学校行って一番に会う人が矢野先輩だとは思いもしなかった。