空の大きさ


健吾と真剣な話をすることなんかまずなくて、


あったとしてもそれは部活の話をするときだけ。


言葉が出ない俺はとりあえず口を開いて何かを言わなければ、と思う。


でも口を開いた途端、


「はい、席つけよー」


とタイミング悪く担任が教室に入って来た。


その声を聞いて堀内がちょこちょこと席に帰ってくるのが見えるが今はそれどころではない。


「?2人ともどうしたの?」


いつもと様子が違う俺たちに気付いた堀内はそう声をかけてくれるけどどっちも答える気配がない。




動かない俺と健吾に最後に言葉を投げかけたのは



「席に座れって言ってるだろ」


バコっと音がして俺と健吾を手に持ってたプリントで叩く、担任だった。



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